相席居酒屋に行ってきた~前篇~

タイトル通り相席居酒屋へ行ってきました。

 

一緒に行った女の子は、ピルケースにピル以外の薬を入れて持ち歩いていたので以下ピルケと表記します。

 

いいネタになるし行くしかない!と気合を入れて支度していたらお互いに「ごめん、待ち合わせ時間一時間遅らせて(脇汗)」と、合計2時間も予定時間を押して喫茶店で茶をシバくことなく相席居酒屋へピットイン!

 

「サブカル男子に会いた~い(お願いランキング風)」

 

ということで、下北沢へ行ってきました。私の想像ではきっと男の子たちが既にわらわら居て「ほぇえ><怖いにゃ~。ゲスの極み乙女最高にゃ~。」なんて言っときゃ「あ、この子バンド好きなんだな」という展開から「そうなの…私以外私じゃないの…」と神妙な面持ちで相手の目を見たら恋が始まるんだろうと予想していたので、男0の閑散とした店内を目にした時は脇汗で服を湿らせることしか出来なかった。いつから居たかわからない女達と目で「はん。私の方が可愛いわっ」と気高き血統書付のペルシャ猫を彷彿とさせるメスゴリラ同士威嚇を交わしながらピリッとした空気感の中店内の奥へ。

 

1時間程して、ピルケちゃんと「酒うまいし飯もタダだし女でよかったね~」など、女として生まれた才能を発揮したわけでもないのに、共に戦い抜いた戦友のようなやりきった感を身に纏い「そろそろ帰りますか~。」と、本来の目的を忘れた我々へ店員が「相席になるので準備お願いします。」の一言。大慌てでメスゴリラモードから、メス顔モードへ変更し、「大丈夫?可愛い?」と、先ほどまで戦友などと抜かしていたのが嘘のように寝返り敵同士になっていた。

 

相手の男性は帽子を被ったお地蔵さんと、特徴のないイケメンだった。ともに24らしいが、お地蔵さんは社会人・特徴のないイケメンは院生とのこと。初対面の人間とお話しすることを苦手として生きてきた私だが、お地蔵さんにはお祈りを捧げるような気持ちで話す…というより語りかけていたら意外といつも通り話せた。しかし、私は思った

 

「ゼンッッゼンサブカル男子じゃねぇ!!!!」

 

気づいた時にはもう遅く、目の前にはお地蔵さんとイケメン。ピルケっちは楽しそうにトークを繰り広げていたが、私はというと終始「(キャスターってウィンストンに名前変わったんだな…既存のウィンストンを吸ってる人は何て頼むんだろうな…)」と、大学のトイレで一人考えられるような事を考えていた。なぜ隅田川花火大会の日に相席居酒屋で知らない男と酒を飲んでいるんだと激しい虚無感に苛まれながら目の前に並ぶ食べかけの食べ物を口へ運ぶ機械と化していた私は気が付くとトイレへ足を運んでいた。ただいま、マイホーム。心の中で呟きかけた時、順番待ちをしていたお地蔵さんが目に入り手を合わせかけたが「あ、トイレだったんですね。飲み物取りに行ったかと思いました。」ビジネス下位定型文の様な白々しいテンプレのやり取りを交わし、お互いに順番を待った。お地蔵さんは相席居酒屋へ来る前に磯○水産でお酒を飲んでいたことを話してくれ、私には理解不能な家庭科の調理実習で使うようなジーパン生地のエプロンを腰に巻いていたのでコレのせいで店員と間違えられたなんて話をしていたが、やはりファッションに理解力が無い私は「お地蔵さんなら赤のまいかけをしなさいよ」と思いながら空いたトイレへ入った。

 

ここまでで既に1時間半ほど経過していた。

 

ピルケっちはとっても素直な言葉の裏側を読み取れないの感情が欠落した良い子なので(本人も見ているのでこれは褒めてます)相手を気遣い時間が大丈夫なのか聞いていた。イケメンと仲良さげに話すピルケっち。この時点でlineを交換していて「あ、あ、あ、あ、あ」と机の下でtwitterのTLを追っていた私はあっという間に差を付けられていた。(結局この後4人差を付けられるが後編で)

 

しかし、私はここへ来る前にTHE IDOL M@STERで鼓膜を揺らし、気分は箱崎せりか…おかしい。ここで現実世界へ呼び戻され、メスゴリラだったことを思い出す。思わず失禁しかけたが、さきほどトイレへ行ったばかり、加えてお地蔵さんにも「おしっこを漏らしませんように」と、まるで幼女がするような可愛らしいお願いをしたばかり。ここで漏らすわけにはいかないとキュッと尿道を狭めた。でも、まだ、へこたれない。孤独に負けたくない。乙女を舐めちゃいかん。何かが掴めたかも!!!!line画面の確認、変わらない二桁の登録人数。私を抜かして盛り上がるグループチャット。そっと、閉じた。私の伝説はまだ始まりもしていなかったようだ。

 

後半へつづく…